脱臭触媒は、我々の普段の生活で使われている家電製品に組み込まれて使われています。例えば、冷蔵庫内のニオイやトレイの気になるニオイを除去または低減しています。また、室内の空気をきれいにするために空気清浄機、エアコン、クリーナー(掃除機)などにも使われ、タバコやペットからのニオイを減らすことに使われています。
冷蔵庫内には、食品から発生する悪臭物質であるメチルメルカプタン(腐敗臭)や硫化水素(腐卵臭)などがあり、それらを吸着・分解(反応)することで、無臭または低臭な物質にすることができ、交換頻度も少なく長期間使うことができます。
装置構造上オゾンが発生するコピー機や、オゾンを使って殺菌や脱臭を行う浄水場やプール、病院の空気清浄器などで使用されています。
オゾンはある程度の濃度になると皮膚や目に刺激を与える為、約0.1ppmの低濃度での排出規制があります。浄水処理や殺菌、脱臭の用途で使用されるオゾンは高濃度である為、処理で残ったオゾンを分解して排出する必要があります。 オゾンを分解する触媒としては主に酸化マンガンが使用されています。 コピー機などで発生するオゾンは大変微量なのですが、オゾンには独特のにおいがあるので、利用者の快適性の面からオゾン分解触媒が使用されています。
工場から排出される排ガス中に、有毒な一酸化炭素や悪臭の原因となる炭化水素が含まれる場合、これらを酸化分解して水蒸気と二酸化炭素へ変成して無害化・無臭化します。
触媒を使わない燃焼による酸化分解では、700℃以上の高温が必要になり、エネルギーが多く必要になります。また、高温燃焼に伴って空気中の窒素が酸化されて、有害な窒素酸化物(NOx)が生成しやすくなります。 触媒を利用すると150-350℃という低温での酸化分解が可能になり、省エネルギーとなる他、窒素酸化物の生成も防ぐことができます。